日本大百科全書(ニッポニカ) 「オジュク」の意味・わかりやすい解説
オジュク
おじゅく
Chukwuemeka Odumegwu Ojukwu
(1933―2011)
ナイジェリアの軍人、政治家。富裕な実業家・政治家ルイス・オドゥメグ・オジュクSir Louis Odumegwu Ojukwu(1909―1966)を父として、1933年ズンゲル(ナイジェリア北部)に生まれる。イボ人。キングズ・カレッジ(ラゴス)で教育を受け、オックスフォード大学で歴史学を専攻。1955年に帰国後、2年間東部州で行政官を務め、1957年に陸軍に入隊。イギリスで士官養成コースを受け、コンゴ動乱にあたって国連平和維持軍として派遣され、1963年1月陸軍中佐に進級。1966年1月のクーデター後、イロンシJohnson Thomas Umunnakwe Aguiyi-Ironsi(1924―1966)によって東部州軍政長官に任命された。1967年5月に、ゴウォンの12州制案に反対し、東部州の分離独立を宣言し、「ビアフラ共和国」の大統領となった。1967年7月からビアフラ軍と連邦政府とは内戦状態になり(ビアフラ戦争)、多大の犠牲者を生み出した。1970年1月ビアフラ軍の降服によって内戦は終結し、オジュクはコートジボワールに亡命した。1982年5月シャガリ政権の特赦によって帰国し、ナイジェリア国民党(NPN)に参加し、1983年アナンブラ州上院議員選挙に出馬したが敗北。1994年には民政移行のための新憲法制定会議議員に任命された。2003年と2007年の大統領選に立候補したがともに敗れた。
[中村弘光 2019年1月21日]