日本大百科全書(ニッポニカ) 「オニシャチウオ」の意味・わかりやすい解説
オニシャチウオ
おにしゃちうお / 鬼鯱魚
demon poacher
[学] Tilesina gibbosa
硬骨魚綱スズキ目トクビレ科に属する海水魚。宮城県以北の太平洋岸と島根県以北の日本海、オホーツク海、朝鮮半島から沿海州、樺太(からふと)(サハリン)南部に分布する。体は著しく細長くて縦扁(じゅうへん)し、多数の骨格で覆われ、角張っている。吻(ふん)は細長く、管状。下顎(かがく)は上顎より前方に突き出す。下顎の先端にひげがない。上顎の後端に1本の短いひげがある。体長は30センチメートルほどになる。水深40~170メートルの砂泥底にすみ、底引網で捕れる。食用にしない。シチロウオに似るが、上顎後端にひげがあること、臀(しり)びれは基底が長く23~27軟条からなることなどで容易に区別できる。
[尼岡邦夫]