日本歴史地名大系 「お花山古墳群」の解説
お花山古墳群
おはなやまこふんぐん
山形盆地東縁の標高一五五メートルの孤立丘の南北稜線から西斜面にかけて群在する古墳時代後期(I期・II期)の古墳群。大正九年(一九二〇)の調査では三九基の円墳が数えられたという。その際の出土品は東京国立博物館に収納された。昭和二五年(一九五〇)にはうち二四基が残存しており、径一五―二四メートルの円墳数基が発掘され、竪穴式石棺の内部構造が記録された。昭和五七―六一年には地表面での観察は困難で、稜線から西斜面の発掘の結果、周溝をもつ径二〇メートル前後の円墳一一基のほか、墳丘と周溝をもたない一四基の竪穴式木棺粘土床、組合せ箱形石棺が確かめられた。二基の木棺が埋置された一号墳の一号粘土床木棺内で管玉・ガラス玉・竹櫛・紡錘車とともに面径九・四五センチの変形捩文青銅鏡が、また二二号墳の粘土床木棺からは面径八・九五センチの双脚乳文青銅鏡が発見された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報