世界の観光地名がわかる事典 「カイザーテルメン」の解説 カイザーテルメン【カイザーテルメン】Kaiserthermen ドイツ西部のラインラントプファルツ州にあるモーゼル河畔の都市トリーア(Trier)の郊外に位置する、ローマ帝国時代の遺跡。トリーア中央駅から約1.5km、徒歩20分ほど、選帝侯宮殿やライン州立博物館がある宮殿公園のそばにある。トリーアはローマの軍団の駐屯地・兵站(へいたん)地を起源とする町で、3~4世紀にはローマ帝国有数の大都市に発展し、四分治制(テトラルキア)移行は4つの首都のうちの一つとなった。4世紀初めには、キリスト教をローマ国教として公認したコンスタンティヌス1世がここに居を定めた。こうしたことから、ローマ時代の遺跡が今日に伝わっている。◇そのうちの一つのカイザーテルメン(皇帝浴場)は、その名称どおり、このころにつくられた大浴場の跡である。温水浴室や冷水浴室だけでなくサウナやマッサージやスポーツ施設までそろった施設で、浴場というよりは、むしろ今日のクアハウスや健康センターに近いものだった。現在、建物の一部のほか、水道管や地下室や床暖房の設備跡が残っている。近くには年代が200年ほど古いバルバラテルメンという浴場遺跡(基礎や地下道しか残っていない)やローマの橋、円形劇場などの遺跡もある。聖ペテロ大聖堂、聖母聖堂などとともに、世界遺産に登録されている。 出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内のカイザーテルメンの言及 【トリール】より …1794年フランス革命軍により占拠され,以後1814年まで同国ザール県の主都,15年のウィーン会議でプロイセンに帰属した。【魚住 昌良】[美術] コンスタンティヌス大帝が造営を続けたといわれる皇帝浴場(カイザーテルメン)は,ローマのカラカラやディオクレティアヌスの浴場と並ぶローマ時代のもっとも重要なもののひとつである。温浴室のみがほぼ当初の形で残る。… ※「カイザーテルメン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by