カクテル・パーティ(読み)かくてるぱーてぃ(その他表記)The Cocktail Party

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カクテル・パーティ」の意味・わかりやすい解説

カクテル・パーティ
かくてるぱーてぃ
The Cocktail Party

イギリスの詩人T・S・エリオット詩劇。1949年エジンバラで初演。パーティを開く直前に妻が家出して夫が慌てるという滑稽(こっけい)な出だしで始まるが、劇の進行とともに宗教的な主題が明らかになり、不毛な情事におぼれていた人々が回心して、蛮地における殉教の道や、世俗人の静かな信仰の生活を選ぶ。第二次世界大戦後のロンドンの知識人たちを登場させて、風俗劇に仕立てているが、策略によって人々を信仰へ導く謎(なぞ)めいた精神科医や、その助手役を務める男女の登場は、この劇に象徴的な奥行を与えている。作者エウリピデスの劇『アルケースティス』を下敷きにして現代を描き、エリザベス朝演劇無韻詩ブランクバース)を今日の日常会話体に移し換えて、巧みに重層的な構成をつくりだしている。

高松雄一

『福田恆存訳『カクテル・パーティ』(1954・新潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

関連語 新潮社

4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許されるという風習。また、4月1日のこと。あるいは、かつがれた人のこと。四月ばか。万愚節。《季 春》[補説]西洋もしくはインドに始まる風習で、日本...

エープリルフールの用語解説を読む