化学辞典 第2版 「かご効果」の解説
かご効果
カゴコウカ
cage effect
凝縮相中で一つの分子の解離が起こるとき,これをとり囲んでいる媒体分子のために解離した遊離基などが,離ればなれになることができずに,再結合してもとに戻ってしまうことがある.このような周囲分子の効果を,かご効果という.ヨウ素を液体中で光分解するとき,分解の量子収量は,使用する光の波長に依存すると同時に溶媒の粘度にも依存する.たとえば,粘度が0.017 P の炭化水素溶液中で435.8 nm の光を光源として用いたとき,量子収量は0.18であるのに対し,3.8 P の溶液では,0.036という小さな値になる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報