日本大百科全書(ニッポニカ) 「カシコン銀行」の意味・わかりやすい解説
カシコン銀行
かしこんぎんこう
Kasikornbank PCL
タイの大手商業銀行。略称KBank。名称は、以前はタイ語を英語に翻訳したThai Farmers Bank Public Co., Ltd.(略称TFB)という表記が用いられ、日本でも「タイ農民銀行」とよばれてきたが、2003年4月の変更により、英語でもタイ語の発音がそのまま使用され、一般的に表題のように呼称されるようになった。華僑(かきょう)系のラムサム財閥Lamsam groupの中核銀行。創立は1945年で、500万バーツの資本金と従業員数21人という体制からスタートした。
カシコン銀行は商工業、農業、住宅向けの融資から、発電所建設など国家プロジェクトへの融資、また政府や企業向けの債券発行業務など多様なサービスを提供する。さらに1996年には写真入りのクレジットカードを発行するなどリテール・バンキング(おもに個人を相手とした小口取引)業務も行っている。
2013年6月末時点で、資本金304億8600万バーツ、総資産2兆2251億5200万バーツ、預金1兆4670億5800万バーツ、貸出金1兆3901億3500万バーツ。国内897支店(バンコク近郊に301、内陸部に596)、海外に10か所の支店・代理店の拠点(ロサンゼルス、香港(ホンコン)、ケイマン諸島、北京(ペキン)、上海(シャンハイ)等)を有するまでに成長している。
[上川孝夫・佐藤秀樹]