旺文社世界史事典 三訂版 「カシミール帰属問題」の解説
カシミール帰属問題
カシミールきぞくもんだい
Kashmīr
独立時,カシミール住民の77%がイスラーム教徒,王がヒンドゥー教徒であったため,住民はパキスタンに,王はインドに帰属を願って紛争が起こった。これにインド・パキスタン両国が介入して武力衝突を起こしたが,1949年1月,国際連合の調停で休戦となった。しかし,1957年のインドによるカシミール併合に続いて,65年8月,カシミールにパキスタンの武装ゲリラが侵入したことから,再びインド−パキスタン戦争が起こった。1966年1月ソ連首相コスイギンの斡旋で両国の首脳会談が行われ,紛争の平和的解決を約束したが,71年末には第3次インド−パキスタン戦争が起こり,翌年にはシムラ協定が結ばれた。1998年の核実験の応報で両国間の緊張が高まり,現在に至るまで帰属は明確ではない。
出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報