知恵蔵 「カタール危機」の解説
カタール危機
カタール政府は、タミム首長の発言報道を捏造によるフェイクニュースと反論し、テロ組織への支援も事実無根と否定した。しかし、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプトの4カ国は、カタールとの外交関係を断つと共に全ての陸海空路を閉鎖。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラの放送も遮断した。6月下旬、4カ国は共同で関係修復の条件として、カタールに「イランとの外交縮小」「アルジャジーラの閉鎖」「カタール内のトルコ軍基地の閉鎖」などを含む13項目の要求リストを提出。カタール政府はこれに対し、主権の侵害であり、国際法に反するとして受け入れを拒絶した。
14年にも、カタールが「ムスリム同胞団」を支援したという理由で、サウジアラビアを初めとする3カ国が駐カタール大使を召還したことがある。この時は、国交断絶までには至らず、クウェートの仲介によって事態は収束している。
(大迫秀樹 フリー編集者/2017年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報