かてに

精選版 日本国語大辞典 「かてに」の意味・読み・例文・類語

かて‐に

連語〙 (補助動詞「かつ」の未然形に、打消の助動詞「ず」の上代に使われた連用形が付いたもの) 動詞の連用形に付いて、…することができずに、…するにたえなくて、の意を表わす。
万葉(8C後)二・九五「吾はもや安見児得たり皆人の得(え)難爾(かてニ)すと云ふ安見児得たり」
※万葉(8C後)五・八四五「うぐひすの待ち迦弖爾(カテニ)せし梅が花散らずありこそ思ふ子がため」
[補注]挙例の「万葉‐九五」など、「かてに」の「かて」に「難」の字を用いているものは、「かて」に否定の意を含み、本来打消の助動詞である「に」を助詞と解したものと思われる。→がてに

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デジタル大辞泉 「かてに」の意味・読み・例文・類語

かて‐に

[連語]《補助動詞「かつ」(下二)の未然形+打消しの助動詞「ず」の連用形古形「に」。上代語》…に耐えられずに。…することができなくて。
赤駒門出をしつつ出で―せしを見立てし家のらはも」〈・三五三四〉
[補説]多く接尾語的に用いられ、上代にすでに連濁して「がてに」となっている例もある。→がてに

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