かて(読み)カテ

デジタル大辞泉 「かて」の意味・読み・例文・類語

かて[接助・副助]

係助詞「か」に接続助詞「とて」の付いた「かとて」の音変化。関西方言》
[接助]用言助動詞「た」「ん(打消し)」の終止形助詞「や」などに付く。
逆接の仮定条件を表す。たとえ…しても。「雨が降ったかて行きます」
逆接の確定条件を表す。…のに。…けれども。「呼んだかて返事せんかったやないか」
[副助]体言格助詞に付く。…だって。…でさえ。「そない簡単な字やったら、子供かて読めるわ」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「かて」の意味・読み・例文・類語

かて

  1. [ 1 ] 〘 接続助詞 〙 上方語活用語に付いて逆接条件を表わす。からとて。ても。かって。
    1. [初出の実例]「刀を出したかて、何の別に怖い事はないぞ」(出典:歌舞伎・敵討高音鼓(1808)五)
  2. [ 2 ] 〘 副詞助 〙 上方語。体言に付いて、「だって」「でさえも」の意を表わす。かって。
    1. [初出の実例]「何処の銀行かてそんな廉い利息ちうたらあれへんがな」(出典:太政官(1915)〈上司小剣〉四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android