カナダの憲法移管(読み)カナダのけんぽういかん(その他表記)Patriation

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カナダの憲法移管」の意味・わかりやすい解説

カナダの憲法移管
カナダのけんぽういかん
Patriation

1982年のカナダ憲法の改正をさして用いられる。 1868年の英領北アメリカ法を柱とするカナダ連邦憲法の改正は,その制定以来英国枢密院の裁可を経る形をとってきたが,1982年にこの関係を絶ち,独自の憲法改正手続を成立させた。さらに,英領北アメリカ法に追加して,新たに「権利と自由憲章」 (人権憲章) を制定した。改正手続は州への分権化に歯止めをかける内容となっており,ケベック州の新憲法への署名拒否をもたらした。人権憲章は集団権を否定し,基本的人権のみを保障することを柱としており,いずれも,連邦と州との妥協の結果として不整合な部分は残るもののトルドー元首相の集権型連邦体制の実現を企図した内容となっている。この移管により,カナダは名実ともに独立国家としての体裁を整えることになったが,イギリス国王を元首にいただく立憲君主制に変化はない。

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