日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
カナディアン・ナショナル鉄道
かなでぃあんなしょなるてつどう
Canadian National Railways
カナダ連邦政府の出資でつくられた交通企業。カナダ、アメリカに約3万3000キロメートルの路線をもつ。1918年、カナダ連邦政府が出資していた多くの鉄道会社(グランド・トランク鉄道、グランド・トランク太平洋鉄道、カナディアン・ノーザン鉄道、インター・コロニアル鉄道、ナショナル・トランスコンチネンタル鉄道など)を統合し、カナダ国有鉄道Canadian National Railwaysとして成立した。当初、モントリオール―ウィニペグ―バンクーバー間に大陸横断鉄道を経営した。1977年1月、その子会社としてビア・レール・カナダ社VIA Rail Canadaが設立され、国有鉄道とカナダ太平洋鉄道の大陸横断列車(1978)や大都市間列車(1979)の旅客輸送部門が引き継がれた。これによって巨額の赤字に悩む旅客輸送部門が連邦政府の補助金を得て経営されることになり、国有鉄道の経営は黒字に転じた。
1995年に民営化され、カナディアン・ナショナル鉄道株式会社となった。1999年にアメリカのイリノイ・セントラル鉄道Illinois Central Railroadを、2001年にウィスコンシン・セントラル鉄道Wisconsin Central Ltd.を買収して、路線網はメキシコ湾からカナダの太平洋・大西洋岸に達した。また1998年にカンザス・シティ・サザン鉄道Kansas City Southern Railroadとの提携により、メキシコ国内へも路線が伸びることになった。
[青木栄一・青木 亮]