カピッツァ抵抗(読み)カピッツァていこう(英語表記)Kapitsa resistance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カピッツァ抵抗」の意味・わかりやすい解説

カピッツァ抵抗
カピッツァていこう
Kapitsa resistance

界面熱抵抗ともいう。異なる物質が完全に接しているとき,一方の物質に熱を加えると熱の流れが生じて2つの物質内で温度勾配が生じるだけでなく,その境界面で温度の「とび」が生じる。境界面を流れる熱量Q ,そこでの温度のとびを ΔT ,境界面の面積S とすると,カピッツァ抵抗 RK は,RKSΔT/Q で定義される。狭義には液体ヘリウム固体の間の RK をカピッツァ抵抗ともいう。 1941年 P. L.カピッツァが,超流動ヘリウム4と銅の境界面で温度のとびが生じることを初めて報告した。一般に温度が低くなるにつれて,RK は大きくなり (液体ヘリウム3とセシウムマグネシウム硝酸塩間の RK例外) ,数十 mK 以下の極低温で物質を冷却するときの冷却効果や到達温度を決める重要な要因をなす。

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