カラス事件(読み)カラスじけん(英語表記)Affaire Calas

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カラス事件」の意味・わかりやすい解説

カラス事件
カラスじけん
Affaire Calas

南フランス,ツールーズの新教徒商人ジャン・カラスをめぐる誤審裁判事件。旧教に改宗した息子が自殺体で発見されたとき (1761) ,父親が殺したものと疑われツールーズ高等法院の判決により車裂きの刑を受けた。家族は,疑念をもったボルテール援助を受けて再審を国王政府に訴えた。コンセーユ・デュ・ロア (国王諮問会議) は判決無効を宣告し,1765年になってカラスは名誉を回復した。新教徒に対する旧教勢力の不寛容を示す事件で,国際的世論を巻起した。

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