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再審 さいしんWiederaufnahme

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

再審
さいしん
Wiederaufnahme

確定判決についての,再度の審理。 (1) 民事訴訟法上,判決が確定したのちに,その判決に重大な瑕疵が発見された場合に,当事者の申し立てによって判決の再審判を認める制度。再審の訴えは,当事者が再審の事由を知った日から 30日以内に提起する必要がある。判決確定後5年を経過すれば,訴えは許されない。再審事由はさまざまな類型に分けられる。 (2) 刑事訴訟法上,確定判決に対し主として事実認定の誤りを理由としてその救済のために認められる非常手続をいう。非常救済手続であり上級裁判所による審判手続でない点で上訴とは異なる。また再審請求には移審,停止の効力も生じない。再審は刑の言い渡しを受けた被告人の利益のためのみに認められる。再審の請求は,刑の執行が終わり,または本人が死亡したのちでもこれをすることができる。再審請求権は,検察官,被告人本人のほかその代理人などにも認められる。請求は原判決をした裁判所に対してなされ,これを受けた裁判所は必要があれば事実の取り調べをし,法律に限定列挙された再審請求事由があると認めるときは,再審開始の決定をし,その決定が確定するとその審級に従って裁判所の審理が開始される。 (3) 行政事件訴訟法上,処分または裁決を取り消す判決があり,それによって権利を害された第三者で,自己の責に帰しえない理由で訴訟に参加できず,そのため判決に影響を及ぼすべき攻撃防御方法を提起できなかった者は,これを理由として確定判決に対し再審の訴えで不服申し立てができる。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

再審

確定した有罪判決に重大な誤りがある場合、裁判をやり直す手続き。判決を受けた人や検察側などが確定判決を言い渡した裁判所に請求する。裁判所は(1)確定判決の根拠となった証拠が虚偽だった(2)無罪とすべき新証拠が見つかった――などと判断すれば、再審開始を決定する。

(2011-11-30 朝日新聞 夕刊 1総合)

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デジタル大辞泉の解説

さい‐しん【再審】

[名](スル)
審査しなおすこと。
確定判決などによって終了した事件について、一定の重大な瑕疵(かし)があることを理由として事件の再審理と確定判決の取り消しとを求めること、およびその手続き。日本の場合、民事訴訟においては判決に不服がある当事者が再審の訴えをもって不服を申し立てることができるが、刑事訴訟においては有罪判決を受けた被告人の利益になる場合のみ再審を行うことができる。→再審抗告

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百科事典マイペディアの解説

再審【さいしん】

裁判が確定した事件について,法が定める重大な瑕疵(かし)ある場合に,裁判を取り消して事件を再び審判することを求める申立ておよびその手続(民事訴訟法338条以下,刑事訴訟法435条以下)。
→関連項目越訴狭山事件

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産学連携キーワード辞典の解説

再審

「再審」とは、確定した取消決定、又は審決に対して、当事者等がその特許異議申し立て、審判手続きに重大な瑕疵、判断の基礎となった資料に異常な欠陥があるという理由でその審決(または取消決定)の取消を求める不服を申し立てる方法である。

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世界大百科事典 第2版の解説

さいしん【再審】

裁判が最終的に確定すると既判力が生じ,もはやこれを争うことはできなくなるのが一般原則であるが,万一裁判に誤りがあった場合には,それを是正して正義の回復を図る必要がある。そこで,法は法的安定性の要請と具体的な判決の適正の要請を調和させるため,裁判が終わったあとでも,例外的に特別の是正方法を用意している。これは,非常救済手続と呼ばれるが,再審はその一手段である。
[民事訴訟法上の再審]
 (1)意義 確定した終局判決に対して,法律に定めた理由にあたる重大な欠陥があるときに申し立てられる非常救済手続。

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大辞林 第三版の解説

さいしん【再審】

( 名 ) スル
二度目の審査をすること。
〘法〙 確定判決の取り消しと事件の再審理を求める申し立て・手続きおよびその審判。一定の重大な理由がある場合にだけ認められ、特に刑事訴訟法では一事不再理の原則に基づき、被告人の利益のためにのみ許される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

再審
さいしん

確定判決の法的安定性と正義との調和を図るために設けられた、確定判決に対してなす非常救済手続である。刑事訴訟法では、事実認定の不当を理由として確定判決に対して行われる救済裁判をいう。再審の請求は、同法第435条に法定されている場合に、有罪の言渡しをした確定判決に対して、その言渡しを受けた者の利益のために、これをすることができる。すでに無罪の裁判のあった行為についてはふたたび刑事上の責任を問われないとする憲法第39条の趣旨から、旧法が認めていた不利益再審の制度を現行刑事訴訟法は認めていない。再審の請求は、刑の執行が終わり、またはその執行を受けることがないようになったときでも、これをすることができる。再審の請求は、刑の執行を停止する効力をもたないが、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官は、再審の請求についての裁判があるまで刑の執行を停止することができる。
 再審の請求権者は、検察官、有罪の言渡しを受けた者、有罪の言渡しを受けた者の法定代理人および保佐人、有罪の言渡しを受けた者が死亡しまたは心神喪失の状態にある場合には、その配偶者、直系の親族および兄弟姉妹である(刑事訴訟法439条1項)。再審請求に理由のあるときは、再審開始の決定をしなければならない(同法448条1項)。再審の開始の決定をしたときは、決定で刑の執行を停止することができる(同法448条2項)。裁判所は、再審開始の決定が確定した事件については、原則として、その審級に従い、さらに審判をしなければならない。再審においては、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。再審において無罪の言渡しをしたときは、官報および新聞紙上に掲載して、その判決を公示しなければならない(同法451条~453条、刑事補償法、国家賠償法)。
 再審理由を定めた刑事訴訟法第435条のうち、とくに重要なのは、有罪の言渡しを受けた者に無罪か免訴を言い渡すべき明らかな証拠や、刑の言渡しを受けた者に刑の免除を言い渡すべき明らかな証拠、または原判決の罪より軽い罪を認めるべき明らかな証拠を、それぞれ新たに発見したとき(435条6号)である。再審が開始されるかどうかは、「明らかな証拠」があるかどうかにかかっている。以前は、再審理由は無罪の高度の蓋然性(がいぜんせい)がある場合にのみ認められ、「疑わしきは被告人の利益に」ではなく「疑わしきは確定判決の利益に」と考えられてきたが、そうなると、たとえば真犯人でも発見しないかぎり再審理由は認められないことになり、再審は「開かずの門」となってしまう。そこで、判例は、「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」とは、確定判決における事実認定につき合理的な疑いを抱かせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠をいい、その判断に際しても、再審開始のためには確定判決における事実認定につき合理的な疑いを生じせしめれば足りるという意味において、「疑わしいときは被告人の利益に」という刑事裁判における鉄則が適用されるとした(昭和50年5月20日最高裁第一小法廷決定)。この判例(白鳥事件)により、いわゆる「再審の時代」にはずみがつき、重大事件の再審無罪判決が出されるに至った。
 第二次世界大戦後、再審により無罪判決が下された著名な例としては、強盗殺人被告事件について無期懲役刑に処せられてのち約50年を経て再審判決により無罪が言い渡されたいわゆる吉田石松老事件、放火事件についてのいわゆる金森老事件、殺人罪についてのいわゆる弘前(ひろさき)大教授夫人殺し事件、強盗殺人事件についてのいわゆる加藤老事件、強姦(ごうかん)致死・殺人事件についてのいわゆる米谷(よねや)事件などがある。上記白鳥事件判例の後、死刑の確定判決に対し再審で無罪判決が下され、司法界に大きな衝撃を与えた。すなわち、強盗殺人・同未遂等再審被告事件の死刑確定者に対してアリバイの成立を認めて1983年(昭和58)7月15日に無罪を言い渡したいわゆる免田事件、強盗殺人被告再審事件の死刑確定者に対して自白の真実性に疑いがあるなどとして1984年3月12日に無罪を言い渡したいわゆる財田川(さいたがわ)事件、強盗殺人・非現住建造物放火再審被告事件の死刑確定者に対して自白には客観的裏づけが乏しく信用できないなどとして1984年7月11日に無罪を言い渡したいわゆる松山事件がこれである。さらに、その後、強姦致傷・殺人事件の死刑確定者に対して1989年(平成1)1月31日に再審無罪を言い渡した島田事件がある。また、いわゆる徳島ラジオ商殺し事件では、初の死後再審につき、1985年7月9日に無罪の判決が言い渡されている。なお、治安維持法違反事件につき、無罪の再審理由と免訴の再審理由とが競合している場合に、2008年3月14日の判例は免訴の判決を言い渡すべきであるとしている(横浜事件)。また、わいせつ誘拐・殺人および死体遺棄事件につきDNA型鑑定に基づき無期懲役とした事件につき、DNA型鑑定が被告人と一致しないことが判明したとして2010年3月26日に再審無罪の判決が言い渡された足利事件がある。
 なお、民事訴訟法では、裁判の確定によって終了した事件について、同法第338条列挙の一定の重大な瑕疵(かし)がある場合に、当事者の再審の訴えをもってする不服申立てにより、その裁判をした裁判所に、さらにその裁判の当否を審判させる手続をいう(同法338条~349条、403条)。また、他の法分野での再審については、行政事件訴訟法(34条)、会社法(853条)、特許法(171条)、国際司法裁判所規定(61条)に定められている。[内田一郎・田口守一]

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