カリポス周期(読み)かりぽすしゅうき(その他表記)Callipus cycle

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カリポス周期」の意味・わかりやすい解説

カリポス周期
かりぽすしゅうき
Callipus cycle

太陰太陽暦法で用いられる一つの周期。紀元前334年ギリシアカリポスCallipusによってみいだされた。メトン周期の4倍76暦年に28回の閏(うるう)月を挿入して940か月を2万7759日とするもので、この日数の周期をカリポス周期といい、季節朔望(さくぼう)の関係は暦のうえでは完全に元に戻る。76年法ともいう。カリポス周期を用いると、1太陽年の長さは27759÷76=365.25日となる。中国では、この端数が1日の4分の1であることから、この暦法四分暦と称し、前漢太初元年(前104)にいったん廃したが、後漢(ごかん)章帝の元和2年(後85)からふたたび採用され、136年間にわたって用いられた。

[渡辺敏夫]

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改訂新版 世界大百科事典 「カリポス周期」の意味・わかりやすい解説

カリポス周期 (カリポスしゅうき)
Kallippos period

2万7759日の周期。前334年にギリシアのカリポス(キュジコスの)の考案した周期で,76年に28回の閏(うるう)月を置き76年=940暦月とし,その総日数を2万7759日とする。したがって1年は365.25日,1暦月は29.53085日となる。太陰太陽暦で太陽年と朔望月(さくぼうげつ)をいかにうまく組み合わすかという問題に対する一つの解答で76年法と呼ばれた。中国でも前5世紀ごろには知られそのころ用いられていた四分暦にとり入れられていた。
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