古代ギリシアの天文学者メトンによって紀元前433年に発見された暦学上の周期。朔望(さくぼう)月と太陽年の間には
29.53059日×235=6939.69日
365.24220日×19=6939.60日
という関係があり、両者の日数はほぼ同じである。つまり235暦月は19暦年に等しく、その総日数を6940日とすると、
235月=12月×12+13月×7
=29日×110+30日×125=6940日
であるから、太陰太陽暦法で19太陽年に12か月の年を12回と、13か月の年を7回置けば、月の朔望と季節は元に戻る。19年に7回の閏月(うるうづき)を挿入するところから暦法では十九年七閏法(じゅうきゅうねんしちじゅんほう)と称し、これをメトン周期という。中国ではこれを章と称し、十九年七閏法を章法という。章法の235暦月は29日の小月110回と、30日の大月125回を含むものである。
[渡辺敏夫]
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…しかし時代の経過とともに暦はしだいに改良され,前5世紀ころには19年間に7個の閏月を置く方法が考案された。この19年の周期は,やはり太陰太陽暦を使用していたギリシアにおいて,前432年に天文学者メトンMetōnが提唱しメトン周期と呼ばれた。中国ではこれを章法と呼んでいる。…
…19年に7個の閏月を挿入し(19×12+7=235朔望月),この基本周期の19年を1章とし,4章(76年)で閏月および月の大小が循環するようにした暦法である。1章という周期は,ギリシアでもメトン周期として知られていた。天文学的には月の交点,近点がそれぞれ18.599年,8.851年の周期であるから,19年の周期でほぼ元どおりに復帰する。…
※「メトン周期」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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