ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カルル11世」の意味・わかりやすい解説
カルル11世
カルルじゅういっせい
Karl XI
[没]1697.4.5. ストックホルム
スウェーデン王 (在位 1660~97) 。カルル 10世の子。 1672年より親政。その治世には学芸の振興と首府ストックホルムの発展がみられ,父王カルルが征服したデンマーク=ノルウェー領の諸州がスウェーデン=フィンランドに完全に統合された。グスタフ1世以来の対外戦争のため,財政的必要から多くの王領地が売却され,土地貴族が勢力をふるっていたが,親政後ただちに,デンマークに奪われたスコネ地方を回復 (79) して,失地の責任を追及。商工業者と結んで,土地還元令を更新し,貴族の大土地所有の没収に成功,王領地は再び全国土の 30%をこえた。取返した王領地と自営農民を基礎に,陸海軍を再建整備し,官僚制を組織して絶対王政を確立した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報