カワーキビー(その他表記)al-Kawākibī

改訂新版 世界大百科事典 「カワーキビー」の意味・わかりやすい解説

カワーキビー
al-Kawākibī
生没年:1849-1902

シリアアラブ民族主義思想家アレッポ名門の出身で,ムハンマド・アブドゥフ弟子。オスマン帝国政府の官吏を経て文筆活動に入る。アブデュルハミト2世専制を厳しく批判するジャーナリズム活動のため拘禁されたが,結局1898年シリアを追放されてカイロに移住,イスラム改革の論陣を張る《マナール》誌の寄稿家となり,さらにイエメンザンジバル等をも広く旅行した。イスラムにおけるアラブと非アラブの区別を強調し,キリスト教徒,ユダヤ教徒も含めてアラブの団結と急進的な改革とを主張した。著作に《専制の性質》《メッカ》などがある。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

20世紀西洋人名事典 「カワーキビー」の解説

カワーキビー
Al Kawākibī


1849 - 1902
シリアの思想家。
アレッポ出身。
アラアブ民族主義思想家。名門の出身でムハンマド・アブドゥフの弟子。オスマン帝国の官吏をした後、文筆活動をする。アブデュルハミト2世の専制をジャーナリズムで厳しく批判した為拘禁され、1898年にシリアを追放されカイロに移住し、イスラム改革の論陣を「マナール」誌で張った。イエメン、ザンジバル等も広く旅行した。キリスト教徒、ユダヤ教徒も含めてアラブの団結と急進的な改革を主張した。著作に「専制の性質」「メッカ」等がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カワーキビー」の意味・わかりやすい解説

カワーキビー
al-Kawākibī

[生]1849. シリア,ハラブ
[没]1903
イスラム近代の思想家。民族主義者。反トルコの立場からアラブ民族独立の思想を説き,アラブと非アラブをきびしく区別して,イスラム教徒であっても他民族は排除すべきであるとする汎アラブ主義を唱えた。

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