カーティヤーヤナ(その他表記)Kātyāyana

改訂新版 世界大百科事典 「カーティヤーヤナ」の意味・わかりやすい解説

カーティヤーヤナ
Kātyāyana

古代インドの文法学者。前250年ころの人。サンスクリット文法学の最初成果であるパーニニの《アシュターディヤーイー》に対する注解《バールティカ》を著した。しかしそれは単なる祖述にとどまらず,言語的慣用変化に即し,選択的に(パーニニの1/3だけあつかう),批判的に師主規則吟味,解明し,補足的に規則を改善し,まれにはこれの誤りを指摘している。この態度パタンジャリにひきつがれ,彼により古典サンスクリット文法は完成されることとなる。
文法学派
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カーティヤーヤナ」の意味・わかりやすい解説

カーティヤーヤナ
Kātyāyana

[生]前250頃
[没]前200頃
古代インドの文法学者。パーニニが詳細に定めたサンスクリット文法に検討の手を加え,『バールティカ』 Vārttikaを著わした。

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世界大百科事典(旧版)内のカーティヤーヤナの言及

【文法学派】より

… パーニニを契機として文法学はベーダの補助学の域を脱し,独立の学問分野として発展した。《パーニニ・スートラ》は,前250年ころのカーティヤーヤナの《評釈書(バールティカ)》ならびに前2世紀ころのパタンジャリの《大注解書(マハーバーシャ)》によって補修,発展させられた。パタンジャリは,語の意味するところを句義(パダールタ)として実体,性質,運動に分類した。…

※「カーティヤーヤナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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