ガウタマ(読み)がうたま(その他表記)Gautama

翻訳|Gautama

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガウタマ」の意味・わかりやすい解説

ガウタマ
がうたま
Gautama
(50―150ころ)

インド思想家。別名アクシャパーダAkapāda、漢訳名は足目(そくもく)。インド六派哲学の一つであるニヤーヤ学派開祖とされる。紀元前5、6世紀ころから発展してきた論証ニヤーヤ)学を、正統バラモン主義の立場からまとめあげ、5篇(へん)10章よりなる『ニヤーヤ・スートラ』(現存のものは3世紀ころに完成したと思われる)を編んだと伝えられる。知識手段や知識対象をはじめとする16の原理をたてたが、その哲学的基礎は、多くはバイシェーシカ学派からの借りものであったため、後世、両学派の融合をみるに至った。

[宮元啓一 2018年5月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ガウタマ」の意味・わかりやすい解説

ガウタマ
Gautama

インドの哲学者。ニヤーヤ学派の伝承上の開祖。50-150年ころの人。別名アクシャパーダ(足目)。ゴータマともいう。前6~前5世紀ころからインドで発達してきた論証(ニヤーヤ)学を,正統バラモン主義の立場から体系化し,《ニヤーヤ・スートラ》を編んだと伝えられる。〈知識手段〉をはじめとする独特の16原理を立てたが,その実質は多くの場合バイシェーシカ学派の哲学体系の流用であったため,後世,両派の融合を見るにいたった。
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