廃棄物を、熱分解ガス化工程を経て1300~1400℃の高温で溶融する焼却炉。熱分解炉と高温溶融炉を組み合わせた方式や、溶鉱炉の技術を転用してコークスと石灰石を使って処理する方式(シャフト炉式)がある。ガス化溶融炉は、高温処理するためにダイオキシンの発生が少ないことや、残渣(ざんさ)は灰ではなくスラグ状になり従来の焼却方式の約半分にまで減らせること、スラグは骨材として再利用が可能であることなどの特長がある。一方で、運転コストが高くなること、運転管理がむずかしいなどの問題もある。国内の一般廃棄物焼却施設1243のうち、ガス化溶融炉は92である(2009年度)。
[山本耕平]