改訂新版 世界大百科事典 「ガス干渉計」の意味・わかりやすい解説
ガス干渉計 (ガスかんしょうけい)
gas interferometer
ガス測定器の一種で,炭鉱で坑内空気中のメタンガス濃度を測定するのに広く使用されている。メタンガスと空気との屈折率の差による光の干渉を利用したもので,その原理は以下に述べるとおりである。図のように光源からの光線がレンズを通って平行光線となり,スリットを経て平行平面鏡に達する。ここで光線は二つに分かれ,それぞれガス室および空気室を通り直角プリズムに達し,順次反射されて再びガス室および空気室を進み平行平面鏡に達する。ここでは屈折および反射が起こるが,平行平面鏡を調整すると二つの光線は一致し,明暗の干渉縞を生ずる。これを望遠鏡でのぞきメタン濃度を読み取る。測定に当たっては温度,気圧に対する補正が必要であり,また屈折率の異なる他のガスの混入によって示度に影響があることを注意しなければならない。この計器は上述の原理に基づくものであるから,炭酸ガスその他の濃度を測定することも可能である。
執筆者:大橋 脩作
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報