日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガンゲーシャ」の意味・わかりやすい解説
ガンゲーシャ
がんげーしゃ
Gageśa
生没年不詳。13~14世紀ころのインドの思想家。ニヤーヤ学派の学匠。不二一元論(ふにいちげんろん)派のシュリーハルシャŚrīharaがウダヤナUdayana(生没年不詳)などの知識論を痛烈に批判したのに対し、その反論として『タットバ・チンターマニ』を著した。この書は4部よりなり、直接知、推理、類比、言語の四つの知識手段を各部にあてて詳論している。また、従来よりもはるかに厳密な定義法と術語体系を編み出し、ナビヤ・ニヤーヤ(新ニヤーヤ学派)を確立した。以後、知識論、論理学の研究は、この大著の注釈という形で展開されていった。
[宮元啓一 2018年5月21日]
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