ウダヤナ(その他表記)Udayana

改訂新版 世界大百科事典 「ウダヤナ」の意味・わかりやすい解説

ウダヤナ
Udayana

インドの980年ごろの哲学者。生没年不詳。師バーチャスパティミシュラの跡をうけ,ディグナーガ,ダルマキールティ,ジュニャーナシュリーミトラらの仏教論理学派,クマーリラらのミーマーンサー学派学説を激しく批判したニヤーヤ学派論客バイシェーシカ学派の作品も著しており,両派融合の傾向を初めて具体的な行動に移した。仏教徒論難にたいして主宰神(イーシュバラĪśvara)の存在証明を積極的に展開したことで,正統バラモン主義の哲学者の間で,仏教徒を打ちのめした偉人として賞賛された。また,従来にない厳密な定義づくりを試み,13世紀以降確立した新ニヤーヤ学派の先駆者と見なされている。著作は《アートマンの真理の弁別Ātmatattvaviveka》など多数。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウダヤナの言及

【バイシェーシカ学派】より

…この基本姿勢は,ウッディヨータカラバーチャスパティミシュラなどを通して,ニヤーヤ学派の知識論に決定的な影響を及ぼした。ウダヤナにおいて両派はほぼ完全に融合し,新ニヤーヤ学派の形成の基礎が築かれた。六句義【宮元 啓一】。…

※「ウダヤナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む