改訂新版 世界大百科事典 「キャタピラー会社」の意味・わかりやすい解説
キャタピラー[会社]
Caterpillar Inc.
アメリカにある世界最大の土木・建設機械メーカー。本社イリノイ州。1904年設立の農業用トラクター・メーカーのHolt Mfg Co.が前身。25年同社とC.L.Best Tractor Co.とが合併してカリフォルニア州にキャタピラー・トラクターCaterpillar Tractor Co.の社名で設立された。同時に農業用から建設用トラクターに生産の中心を変更した。51年には土木機械部品を生産するTrackson Co.を所有,また81年にはSolar Turbines International Co.を買収して,ガスタービン分野に進出した。主要製品には,トラック・タイプのトラクター,ブルドーザー,削岩機,フォークリフト,動力地ならし機,油圧掘削機などがある。これらの機械類は,建設,鉱業,農林業をはじめ広く産業分野で使用される。そのほかディーゼルエンジンと天然ガスエンジンは,ハイウェー用トラック,発電,船舶,産業用として販売される。販売にあたる独立ディーラーはアメリカ国内外におのおの100社以上ある。生産にあたる全額出資の子会社は,アメリカ国内のほかヨーロッパ,南北アメリカ,オーストラリアに展開する。売上構成は機械設備63%,エンジン31%,金融サービス6%。北米以外での売上比率は全体の47%(2004年12月期)。また63年には三菱重工業と折半出資でキャタピラー三菱(現,新キャタピラー三菱)を設立した。ここでのおもな製品は,ホイールローダー,ブルドーザー,油圧ショベルである。売上高303億ドル(2004年12月期)。
執筆者:徳田 賢二
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報