翻訳|bulldozer
ディーゼルエンジンを搭載したキャタピラ式トラクターの前方に排土板(押板)を装備し,土砂,岩石などの掘削,押土および敷きならしを行う建設機械。後方にリッパーチップ(掘削刃)を装備し,強力な牽引力によって岩盤を掘削することも可能である。建設機械として汎用(はんよう)性がもっとも高く,万能掘削機械として広範囲に使用されている。排土板はトラクターの幅よりわずかに広い鋼鉄製の湾曲した板であり,2本の支持棒によってトラクター前方に取り付けられ油圧シリンダーによってその姿勢が制御されている。また排土板の取付方には,車体の進行方向に直角に取り付けるもの(ストレートドーザー),斜め方向に取り付けるもの(アングルドーザー)および溝掘りを行う場合に片側を下げ他方を上げるもの(チルトドーザー)などの種類がある。押土作業による土砂運搬の作業能力は,運搬距離とともに減少するので長距離運搬には適さず,ブルドーザーの経済運搬距離は60m以下である。3t以下の小型のものから86tの超大型のものまで各種製作されており,また,特殊なブルドーザーとしては,キャタピラの幅を広くして接地面積を大きくし接地圧を下げるとともに,特殊な三角形状のキャタピラを用いることによって,軟弱地走行性に優れた湿地ブルドーザーがある。
→建設機械
執筆者:室 達朗
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…バケット容量1.0~1.5m3のものが多い。
【運搬機械】
ブルドーザーbulldozerトラクターに排土装置(ブレード)を取り付けた機械で,土の運搬だけでなく掘削,敷きならしなどにも使用され,建設機械の中でも汎用性の高い代表的機械である。重量3t程度の小型のものから50tを超す大型のものまで各種製作されており,また岩盤掘削のためのリッパー作業にも用いられる。…
… 土木工事の本格的な機械化が始まったのは19世紀に入ってからで,その中心となったのは広大な未開拓の国土をもつアメリカであった。まず人力による土運車,車輪付きスクレーパー,木製の簡単なグレーダー,あるいは数頭の馬で牽引するグレーダーやブルドーザーが出現した。動力源は人力や畜力であったが,機械的な作業機構をとり入れることにより,当時の道路や鉄道工事において作業効率の向上に貢献した。…
…また輸出も内需の低迷した1974年より増加し,近年の輸出比率は30~40%に達しており,キャタピラー社(世界最大の建設機械メーカー)などと競合している。建設機械の主力は,高度成長期には大規模な土木工事用のブルドーザーであったが,低成長に移行し大規模な公共投資も抑制されるに及んで,70年代の後半以降は小回りのきく都市型建設機械であるパワーショベルの生産額のほうが多くなっている。また大手メーカーによる寡占化が進み,パワーショベル(日立建機,小松製作所,三菱重工業など),ブルドーザー(小松製作所,キャタピラー三菱など),トラッククレーン(多田野鉄工所,加藤製作所など)の主要3機種いずれをみてもそうであり,とくにブルドーザーは前記2社のシェアが9割にも及ぶ。…
※「ブルドーザー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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