20世紀日本人名事典 「キャノンジャック」の解説
キャノン ジャック
Canan Jack C.
- 国籍
- アメリカ
- 生年
- 1914年3月
- 没年
- 1981年3月8日
- 出生地
- テキサス州エルパソ
- 学歴〔年〕
- オクラホマ大学(法律)卒,ウエストポイント陸軍士官学校
- 経歴
- 第2次大戦でアイケルバーガー中将の第8軍に属し、ガダルカナル、ボルネオ戦線などに従軍。戦後GHQのG2(参謀第2部)に属し、ウィロビー少将直轄の情報将校となった。G2は日本の民主化を進めるGS(民政局)と対立したが、’47年のトルーマン・ドクトリン以降、急速に組織拡大され、在日米国諜報機関の1部隊としていわゆる“キャノン機関(Z機関)”が設けられた。任務はソ連などアジア共産圏への対敵スパイ工作で、本部は本郷の岩崎別邸に置かれた。同年米本国でCIAが発足し、その東京支部的役割も果たし、また幹部には捜査権や逮捕権があった。’51年11月25日作家の鹿地亘が拉致され、監禁されたが、占領軍勤務の山田善三郎の訴えでキャノン機関の存在が明るみに出、マスコミ、国会で問題にされ、鹿地は釈放された。占領下の怪事件三鷹事件、下山、松川、帝銀事件もキャノン機関の仕業とされるが証拠はない。キャップのキャノンは’52年3月資料を本国に持ち帰ったのち、憲兵隊などに勤務、’61年退役。’77年NHK特集「キャノンの証言」に出演した。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報