山川 世界史小辞典 改訂新版 「クルグズ人」の解説
クルグズ人(クルグズじん)
Khïrghïz
キルギス人ともいう。古くイェニセイ川上流地方で狩猟,遊牧,農耕をし,のちに西南方へ移動したトルコ系遊牧民。漢代以降に堅昆(けんこん),結骨(けつこつ),唐代には黠戞斯(かつかっし)などと記される。本来コーカサス系の身体特徴を持っていて,匈奴(きょうど)に支配されていたが突厥(とっけつ)の影響下でトルコ化されていき,東ウイグル可汗国の支配下にあった。突厥文字,トルコ語碑銘を残している。ウイグルの内紛に乗じてこれを滅ぼし,分散移動させた(840年)。その後モンゴル帝国に服属して各地に離散したが,主要部分は西走してイスラーム化しつつ,しだいにカザフ人やオイラトの圧迫のもとでセミレチエ,天山西部山岳部,フェルガナに移住した。18世紀には清に属してブルートと呼ばれ,ほぼ現在のクルグズ共和国と中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区西部に住むようになった。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報