クルグズ人(その他表記)Khïrghïz

山川 世界史小辞典 改訂新版 「クルグズ人」の解説

クルグズ人(クルグズじん)
Khïrghïz

キルギス人ともいう。古くイェニセイ川上流地方で狩猟遊牧農耕をし,のちに西南方へ移動したトルコ系遊牧民。漢代以降に堅昆(けんこん),結骨(けつこつ),唐代には黠戞斯(かつかっし)などと記される。本来コーカサス系の身体特徴を持っていて,匈奴(きょうど)に支配されていたが突厥(とっけつ)の影響下でトルコ化されていき,東ウイグル可汗国の支配下にあった。突厥文字,トルコ語碑銘を残している。ウイグル内紛に乗じてこれを滅ぼし,分散移動させた(840年)。その後モンゴル帝国に服属して各地に離散したが,主要部分は西走してイスラーム化しつつ,しだいにカザフ人オイラトの圧迫のもとでセミレチエ天山西部山岳部,フェルガナに移住した。18世紀には清に属してブルートと呼ばれ,ほぼ現在のクルグズ共和国と中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区西部に住むようになった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

関連語 突厥 匈奴

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android