クレオメネス1世(その他表記)Kleomenēs I

改訂新版 世界大百科事典 「クレオメネス1世」の意味・わかりやすい解説

クレオメネス[1世]
Kleomenēs I

スパルタ王(アギス家)。生没年不詳。在位,前519ころ-前490年。前519年ころプラタイアイをアテナイと同盟させて,アテナイとテーバイの離間を図り,前510年アテナイから僭主ヒッピアスを追放し,前508年にはアテナイにおけるクレイステネスの政権獲得の妨害を試みて失敗した。前494年ころセペイアの戦でアルゴス軍を撃滅し,前491年ころにはペルシア帝国帰順の意を表明したアイギナ制裁を加えたが,その過程で,従来から対立していたエウリュポン家の同僚王デマラトス策略によって追放し,そのことが露見して亡命した。アルカディア人を糾合してスパルタを圧迫し,帰国と復位をかちえたが,間もなく発狂して自殺した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クレオメネス1世」の意味・わかりやすい解説

クレオメネス1世
クレオメネスいっせい
Kleomenēs I

[生]?
[没]前487
古代ギリシア,スパルタの王。在位前 519~487年。自領の都市をペロポネソス最強の都市とした。前 510年ヒッピアスを追放してアテネ僭主政を倒し,前 508年にはアテネの寡頭派のイサゴラスを援助したが,クレイステネスにはばまれて退去。以後2度のアテネ遠征ももう1人のスパルタ王デマラトスの策動により失敗したが,アルゴスをセペイアで破ってスパルタの威信を回復。のちエギナ攻撃の際,再びデマラトスに裏切られたため,デルフォイの神託を買収して彼の廃位をはかったが露見して一時亡命。帰国後復位したが,獄中で発狂して自殺。

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世界大百科事典(旧版)内のクレオメネス1世の言及

【デマラトス】より

…生没年不詳。前506年クレオメネス1世がイサゴラスをアテナイの僭主に擁立しようとしたとき,その企てを妨げた。前491年にもペルシアと通じたアイギナの処置をめぐって,両者の間に確執があった。…

※「クレオメネス1世」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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