クービン(読み)くーびん(その他表記)Alfred Kubin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「クービン」の意味・わかりやすい解説

クービン
くーびん
Alfred Kubin
(1877―1959)

オーストリア画家ペンによるデッサンを主として制作。ボヘミアのライトメーリッツに生まれる。1898年、ミュンヘンに出て、同地で1902年以後、風刺雑誌『ジンプリティスムス』の同人となる。1906年、ウェルンシュタイン近郊ツウィクレットに相続した小さな館を生涯仕事場とするが、ミュンヘンと密接な交渉をもち、1911年「青騎士派」のメンバーとなる。怪奇幻想の表現を好み、ポーホフマンらの小説に挿絵を描いた。自身も挿絵入りの幻想小説(邦訳対極』)を書いている。

[野村太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クービン」の意味・わかりやすい解説

クービン
Kubin, Alfred

[生]1877.4.10. リトミエルジツェ
[没]1959.8.20. ツビクレット
ボヘミア生れのオーストリアの画家。写真術を学んだのち 1898年ミュンヘンで S.ロイテに絵を学ぶ。 1906年以降オーストリアのツビクレットに定住。 M.クリンガー,F.ゴヤ,A.ビアズリーの影響を受け,独自の幻想的世界を描く。 11年「青騎士」の第1回展に参加。 E.ポー,E.ホフマン,G.ネルバル,F.カフカ,G.トラークルなどの作品の挿絵を描き,みずからも小説『彼岸』 Die andere Seite (1908) ,自叙伝『わが生涯より』を書く。画帳『ザンザラ』がある。 G.キリコや P.クレーに影響を与えた。

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