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イタリアの画家。20世紀はじめ,未来派の実験とともにイタリアで生まれた形而上絵画の代表的画家。ギリシアのボロスで生まれ,17歳よりミュンヘンの美術学校で絵画を学び,その間ニーチェの哲学思想およびベックリンやM.クリンガーの幻想的な絵画に影響されて,その絵画精神に神秘と不安のイメージを深めた。1908年フィレンツェに出てルネサンス絵画への追憶を加え,形而上絵画の基礎をつくる。パリ滞在ののち17年にフェラーラに戻ってC.カラと出会い,彼とともに〈形而上絵画〉を確立して急速にヨーロッパに知られるようになった。作風は無人の街の片隅や広場,地平線への広がりといった建築的要素が支配的であり,顔のないマネキン人形や謎にみちたオブジェがしだいに加わる。パリのシュルレアリストに与えた影響も大きい。しかし,キリコの真の形而上絵画はこのフェラーラ時代の数年に実現されたといわれ,21年以後は時々古典主義に戻ったり,多くはフェラーラ時代の主題をくり返すにとどまった。
執筆者:井関 正昭
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1888~1978
イタリアの画家。ギリシアに生まれ,ローマで没。ミュンヒェンで象徴主義絵画およびニーチェなどの哲学に傾倒したのち,パリに滞在しアポリネール,ピカソらの注目をあびる。1917年,神秘的な情景のうちに,不安や謎を秘めた世界を表出した「形而上学的絵画」を提唱。シュールレアリスムに大きな影響を与えたが,しだいに古典的技法へと回帰した。
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…イタリア語のピットゥラ・メタフィジカpittura metafisicaの訳。1917年,イタリアのフェラーラでキリコとカラの出会いによって成立した絵画の一流派。翌年G.モランディも加わる。…
… 20世紀にはコンクリートで固められた都市に廃墟のイメージを重ねあわせる芸術家が現れた。とくにG.deキリコの形而上絵画は廃墟を思わせる都市風景によって現代人の不安を表現する。またフランスのグランバックAntoine Grumbach(1942‐ )のように,現代都市に古代との歴史的連続性を付与するため,廃墟を〈新造〉しようとする建築家も出てきている。…
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