知恵蔵 「クーポン誌」の解説 クーポン誌 広告収入を基盤とし、無料で配布される定期発行の地域密着型生活情報媒体をフリーペーパーというが、その中でも特にクーポンの掲載が中心となっているものを一般にクーポン誌と呼んでいる。ただし、明確な定義は存在しないため、新聞のみならず雑誌の形態をとるものや、カード会社などが会員向けに発行する限定配布型のものもある。『全国フリーペーパーガイド2006』(日本生活情報紙協会)によれば、フリーペーパーとフリーマガジンの総発行部数は、全国で約2億9375万部、うちフリーペーパーが697紙(約1億6562万部)、フリーマガジンが422誌(約9459万部)、その他・不明が82紙・誌(約3355万部)となっており、これらの中にはクーポン誌とうたっていなくても、多かれ少なかれクーポンが組み込まれているものも多い。クーポン誌が取り扱う情報は、主に飲食業、小売業、サービス業など多岐の業界にわたる。読者にとっては、地域内の多くの企業情報と割引用クーポンが掲載された情報誌が無料で入手できるという利点、クーポン提供企業にとっては、地域限定的な顧客ターゲットに対し比較的安価な広告料金で的確な情報を提供できるといった利点がある。各地に様々なものが存在するが、全国約50のエリアで月間約500万部以上を発行する「Hot Pepper」が有名。また、「ぐるなび」や「Yahoo!グルメ」といったインターネットのポータルサイトや、携帯電話を利用したものなど、他の媒体によるクーポンとの競合、あるいは連携も進んでいる。 (高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報 Sponserd by