グアノシン三リン酸(読み)ぐあのしんさんりんさん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「グアノシン三リン酸」の意味・わかりやすい解説

グアノシン三リン酸
ぐあのしんさんりんさん

生体内に広く分布する化学物質で、GTPと略称される。グアノシンリボースの5'ヒドロキシ基に3分子のリン酸が結合したもので、ATPアデノシン三リン酸)などと同様に高エネルギーリン酸化合物である。RNAリボ核酸合成の直接の前駆体の一つとして非常に重要であり、またフォスフォエノールピルビン酸キナーゼなど、いくつかの酵素のリン酸供与体としても働く。細胞内のタンパク質合成においては、いくつかの段階で必須(ひっす)因子として、またホルモンで刺激される細胞内情報伝達経路の調節因子として重要な働きをしている。そのほか、GDP-マンノースなど、糖合成において前駆体となる糖ヌクレオチドのいくつかの合成にGTPが用いられる。

[笠井献一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android