グロスターシャー県(読み)グロスターシャー(その他表記)Gloucestershire

翻訳|Gloucestershire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「グロスターシャー県」の意味・わかりやすい解説

グロスターシャー〔県〕
グロスターシャー
Gloucestershire

イギリスイングランド南西部の県。県都グロスター。1974年の自治体再編により,南西部がエーボン県の一部として分離された。西部をセバーン川が南西流し,沿岸の平野部を挟んで西にディーン森林,東にコッツウォールド丘陵が連なる。県内にはベルガエ人の集落跡を含む先史時代の重要な遺跡が多数散在,また道路,住居,町にはローマ人による占領の影響がうかがわれる。アングロ・サクソン時代にはウィッカ族が住み王国を形成していたが,7世紀初めマーシア王国に統合された。中世にはディーン森林が,鉄冶金,石炭採掘,木材生産で重要となり,コッツウォールド丘陵も 14世紀に羊毛産業で発展,エドワード3世在位 1327~77)の治世にはフランドルの織物工が来住し織物工業が発達した。その後農業の中心は牧羊から穀物の栽培に移り,18世紀末以降,織物工業も衰退鉄鉱石,石炭も 1965年に枯渇した。農業が主産業で,コムギオオムギなどの穀物のほか,リンゴ,ナシ,プラムなどの果樹栽培が盛ん。畜産部門は酪農が中心で,セバーン川河谷は生乳とチーズの生産で知られる。ブタ家禽の飼育も重要。第2次世界大戦後は近代工業が発展し,プラスチック,科学機器などの軽工業電気工業が立地する。面積 2653km2。人口 57万5200(2005推計)。

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