ケベック会談(読み)けべっくかいだん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケベック会談」の意味・わかりやすい解説

ケベック会談
けべっくかいだん

第二次世界大戦下、1943年8月14~24日(第一次)と44年9月11~16日(第二次)の2回にわたって、カナダケベックQuébecで開かれたルーズベルトチャーチルの米英首脳会談。第一次会談は、目前に迫ったイタリアの降伏問題と米英合同参謀部が作成した北フランス上陸作戦(オーバーロード作戦)の協議がおもな議題であった。しかし会談の背景には、ソ連軍の反攻開始、ドイツ軍の敗退という情勢のなかで、この直後に開かれたモスクワ三国外相会談、テヘラン首脳会談に臨む米英側の意見調整という意味があった。第二次会談は、米英ソ3国のドイツおよび大ベルリン占領地区の合意戦後ドイツの処理問題がおもな議題であった。席上、戦後のドイツを農業国とするモーゲンソーアメリカ財務長官)計画が提案された。同計画は詳細に検討することで持ち越されたが、やがて戦後冷戦の発展とともに立ち消えとなった。

[藤村瞬一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ケベック会談」の意味・わかりやすい解説

ケベック会談
ケベックかいだん
Québec Conferences

1943,44年の2回,カナダのケベックにおいてアメリカの F.ルーズベルト大統領とイギリスの W.チャーチル首相との間で開かれた第2次世界大戦の戦争指導最高会議。 43年8月 11~24日開催の第1次会談では,ノルマンディー上陸作戦計画が立てられ,連合軍の東南アジア司令部の設置が決定された。 44年9月 11~16日開催の第2次会談では,モーゲンソー計画が討議されたが,これは実現しなかった。

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