日本大百科全書(ニッポニカ) 「ケレーニー」の意味・わかりやすい解説
ケレーニー
けれーにー
Karl Kerényi
(1897―1973)
ハンガリーの神話学者。ドイツ系古典文献学を学んだのち、1943年スイスに移り、ユングの深層心理学の影響の下で、「神話は古代人によって生きられた“生”である」という視点からギリシア神話の新解釈を行う。トーマス・マンとの交友も有名。ドイツ語で著述し、主要著書には『神話と古代宗教』(1940)、『迷宮の研究』(1941)、『プロメテウス』(1946)、『ギリシアの神話』上下(1951、58)、『ディオニソス』(1976)などがある。
[高橋英夫]
『高橋英夫他訳『ギリシアの神話』2巻(1974・中央公論社)』▽『種村季弘他訳『迷宮と神話』(1973・弘文堂)』