コアリクイ(読み)こありくい(その他表記)tamandua

翻訳|tamandua

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コアリクイ」の意味・わかりやすい解説

コアリクイ
こありくい / 小蟻食
tamandua
[学] Tamandua tetradactyla

哺乳(ほにゅう)綱貧歯目アリクイ科の動物。体長58~61センチメートル、尾長50~52センチメートル、体重3.4~7キログラム。メキシコ南部からボリビア、ブラジルにかけての森林草地に生活する。体は黄褐色で、個体によって変化がみられ、胴には黒色チョッキを着たような斑(はん)がみられる。尾の先端と下面には毛がなく、木の枝などに巻き付けることができる。オオアリクイと同じで歯はなく、口先鉛筆直径ほどで、おもに樹上に生活して、そこにいるアリシロアリを餌(えさ)とする。野生で捕獲されたものの胃の中に、500グラムに近い量のシロアリがみられた報告がある。普通1産1子である。

[齋藤 勝]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コアリクイ」の意味・わかりやすい解説

コアリクイ
Tamandua tetradactyla; lesser anteater

貧歯目アリクイ科。体長,尾長ともに約 60cm。体は淡いクリーム色。一部の個体には前肢後肢の間に黒色帯があり,黒いチョッキを着ているようにみえる。尾の先と下面には毛がなく,木の枝に巻きつけることができる。おもに樹上で夜間活動し,シロアリ,アリなどを食べる。コロンビアからアルゼンチン北部に分布し,森林,低木林にすむ。

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世界大百科事典(旧版)内のコアリクイの言及

【アリクイ(蟻喰)】より

…円筒状の頭部から突出する細長い口吻(こうふん)部と長い舌をもつアリ食の,貧歯目アリクイ科Myrmecophagidaeの哺乳類の総称。オオアリクイMyrmecophaga tridactyla(イラスト),ミナミコアリクイTamandua tetradactyla(イラスト),キタコアリクイT.mexicana,ヒメアリクイCyclopes didactylus(イラスト)の4種がある。メキシコ南部から中央アメリカを経て南アメリカのパラグアイに至る熱帯林やサバンナに生息する。…

※「コアリクイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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