改訂新版 世界大百科事典 「コクジャク」の意味・わかりやすい解説
コクジャク (小孔雀)
peacock-pheasant
キジ目キジ科コクジャク属Polyplectronの鳥の総称。アオオビコクジャク(スマトラ島),アカコクジャク(マレー半島),カッショクコクジャク(インドシナ半島),ハイイロコクジャク(アッサム,ミャンマー,インドシナ半島,海南島),エボシコクジャク(マレー半島,スマトラ島,ボルネオ島),パラワンコクジャク(パラワン島)の6種が知られている。雄は全長50~60cm,2~4本のけづめをもち,体型は細身で尾が長く,繁殖期には翼,尾を広げてディスプレーをする。雌は雄に比して小型で,けづめを欠き,尾が短く,じみである。飼鳥として珍重され,とくにハイイロコクジャクは古くから日本へ輸入されていた。この種は全身が暗褐色で背,翼に白く縁取られた光沢ある緑色の眼状斑があり,上尾筒,尾羽にも各1対の光沢ある緑色の眼状斑がある。コクジャク類はいずれも森林にすみ,おもに種子などの穀物を食べる。1腹の卵数は2個で,約21日抱卵する。
執筆者:柿沢 亮三
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報