コクジャク(読み)こくじゃく(英語表記)peacock-pheasant

改訂新版 世界大百科事典 「コクジャク」の意味・わかりやすい解説

コクジャク (小孔雀)
peacock-pheasant

キジ目キジ科コクジャク属Polyplectronの鳥の総称アオオビコクジャクスマトラ島),アカコクジャクマレー半島),カッショクコクジャク(インドシナ半島),ハイイロコクジャク(アッサム,ミャンマー,インドシナ半島,海南島),エボシコクジャク(マレー半島,スマトラ島,ボルネオ島),パラワンコクジャクパラワン島)の6種が知られている。雄は全長50~60cm,2~4本のけづめをもち,体型は細身で尾が長く,繁殖期には翼,尾を広げてディスプレーをする。雌は雄に比して小型で,けづめを欠き,尾が短く,じみである。飼鳥として珍重され,とくにハイイロコクジャクは古くから日本へ輸入されていた。この種は全身が暗褐色で背,翼に白く縁取られた光沢ある緑色の眼状斑があり,上尾筒尾羽にも各1対の光沢ある緑色の眼状斑がある。コクジャク類はいずれも森林にすみ,おもに種子などの穀物を食べる。1腹の卵数は2個で,約21日抱卵する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コクジャク」の意味・わかりやすい解説

コクジャク
Polyplectron; peacock-pheasants

キジ目キジ科コクジャク属の鳥の総称。8種からなり,インドから中国南部,インドシナ半島にかけての地域と,インドネシアのスマトラ島ボルネオ島,フィリピンのパラワン島,中国のハイナン(海南)島に分布する。どの種もクジャクマクジャクとインドクジャク)を小型にして尾羽をやや短くしたような体形をしていて,雄の羽色が非常に美しい。形態的にみると類縁関係はシャコ類の仲間に近い。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コクジャク」の意味・わかりやすい解説

コクジャク
こくじゃく / 小孔雀
peacock-pheasant

鳥綱キジ目キジ科コクジャク属に含まれる鳥の総称。同属Polyplectronは、シッキム、ミャンマー(ビルマ)、タイ、インドシナ半島、海南島、スマトラ島、ボルネオ島などに分布し、全部で6種いる。インドクジャクやマクジャクよりもずっと小さく、全長は雄が50センチメートル、雌が40センチメートルほどである。全体に褐色系や灰緑色系の羽色をしており、翼と尾にクジャクのような目玉模様がある。温潤な森林内にすみ、地上を歩きながら小動物や植物の種子などを食べる。雄のディスプレーは非常に美しく、胸を広げ、翼と尾を広げて目玉模様を際だたせる。一雄一雌で繁殖すると思われ、巣はほとんどつくらず、地上の落ち葉の上に卵をじかに産み落とす。1腹の卵数は2個で、これはキジ類としては非常に少ない。抱卵は雌が行う。

[樋口広芳]

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