パラワン島(読み)パラワンとう(英語表記)Palawan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラワン島」の意味・わかりやすい解説

パラワン島
パラワンとう
Palawan Island

フィリピン南西部にある島。ミンドロ島とボルネオ (カリマンタン) 島との間に北東から南西に細長く延び,南シナ海とスル海を分ける。行政的には北東方のカラミアン諸島,南西方のバラバク島などとともにパラワン州を構成している。かつてはボルネオ島地続きで,動植物相が近似している。脊梁山脈がほぼ全島を貫き,森林におおわれる。最高点はマンタリンガハン山 (2085m) 。イスラム教徒の住民は海岸平野に集中し,特に東岸の南半に多い。北部と東岸にはルソン島,ビサヤ諸島からの移住が進んでいる。山地にはニグリト系,プロト=マレー系の少数民族が住む。主作物はイネココヤシトウモロコシ,豆類,サツマイモ漁業も盛んで,州都のプエルトプリンセサと北部のタイタイでは大規模漁業も行われている。プエルトプリンセサ付近で水銀クロム鉄鉱採掘される。面積1万 1790km2。人口 31万 1548 (1980) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「パラワン島」の意味・わかりやすい解説

パラワン島
ぱらわんとう
Palawan

フィリピン南西部、スル海と南シナ海の間に位置し、北東から南西に延びる細長い島。パラワン州の主島をなす。面積1万1785平方キロメートル、長さは447キロメートルにも及ぶが幅は8~48キロメートルにすぎない。パラワン州の人口は73万7000(2000)。山地が多く、マタリンガハン山(2054メートル)をはじめ1500メートル級の山が数多くそびえ、屈曲の多い海岸線が島を巡る。生物地理的にはむしろボルネオ島に近い。フィリピンではもっとも開発が遅れ、人口密度も低い。海岸にはビサヤ人、モロ人が住み、奥地にはバタック人、タグバヌア人、パラワン人などの諸部族が居住している。土地は肥沃(ひよく)で、米、トウモロコシ、サトウキビなどが栽培され、林業、漁業も盛ん。水銀、クロム鉄鉱の採掘も行われている。中心地はプエルト・プリンセサ(人口16万1912、2000)。

[別技篤彦]

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