コットン-ムートン効果(読み)コットンムートンコウカ

化学辞典 第2版 「コットン-ムートン効果」の解説

コットン-ムートン効果
コットンムートンコウカ
Cotton-Mouton effect

磁気複屈折ともいう.磁場中にある液体は光軸を磁場の方向に向けた結晶と同様に,光の複屈折を起こす.この現象をコットン-ムートン効果または磁気複屈折という.磁場に垂直方向に進む二つの直線偏光(振動電場の方向が磁場方向のものと垂直方向のものとの二つ)の間の位相差Δは,物質中の通過距離をl,磁場の強さをHとすると

Δ = clH2
で与えられる.c定数で,これを物質の密度で除した値を比磁気屈折率という.この複屈折によって物質の化学構造の相違が推知される.たとえば,ベンゼン水素ハロゲンで置換すれば比磁気屈折は減少し,ニトロ基アルデヒド基で置換すればそれは増加する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「コットン-ムートン効果」の解説

コットン‐ムートン効果【Cotton-Mouton effect】

磁気複屈折.液体中で光の伝播方向に直角に磁場を与えたときに複屈折が生じる現象.これは液体中の分子磁気異方性を有していて,磁場を印加したときに分子の方向が揃えられた結果である.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のコットン-ムートン効果の言及

【ファラデー効果】より

…吸収の差は磁気円偏光二色性と呼ばれ(円偏光二色性),反射に見られる磁場の影響を磁気的カー効果という(カー効果)。ボイト配置では磁気的複屈折があり,これをコットン=ムートン効果Cotton‐Mouton effectという。強磁性体などではこれらの効果は大きく,磁化がそろっていれば,磁場を外部から加えなくても起こる。…

※「コットン-ムートン効果」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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