精選版 日本国語大辞典 「複屈折」の意味・読み・例文・類語
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光を非等方性の媒質に入射させたとき、偏光方向の違いにより二つの屈折光線を生じる現象。白紙の上に赤い点を1個描き、この上に方解石の単結晶をのせて上方から見ると、赤い点が2個になって見える。これが複屈折である。一方はもともとの紙面に描かれた位置にあるが、もう一方の点はそれからずれて見える。紙面にのせたままで方解石を回転させると、紙面上の点の位置に一致している赤い点はそのままであるが、もう一方の赤い点は前者を中心とした円周上を移動し、方解石が一回りすると元の位置に戻る。このもう一方の点は、紙面上の赤い点から出た光線が方解石内で異常な屈折をして上方に出てきたために生じたものである。このような光線を異常光線という。これに対し、元の点に一致するように進んでくる光線を常光線という。方解石の複屈折現象は1669年にデンマークのバルトリヌスErasmus Bartholinus(1625―1698)により初めて報告され、これを契機として光の本質についての研究が目覚ましく発展した。パリの学士院も、複屈折を数学的に説明する論文を賞金付きで募集した。複屈折の研究は、のちにフレネル、アラゴによる偏光の発見、光の横波説の提唱へとつながっていく。
[石黒浩三・久我隆弘]
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…この場合,それぞれの速さに対する屈折率が違うので,一定の入射角で入射した光はこの物質の中で二つの異なる方向に伝わることになる。この現象を複屈折という。 レンズは光学ガラスの表面での光の屈折を利用したものであり,光を集める目的や,画像の投影などに広く用いられている。…
…結晶内における光の伝わる状態,あるいは結晶の表面からの反射光の状態などを研究する光学の一部門。 1669年,デンマークの物理学者バルトリヌスE.Bartholinus(1625‐98)は,細い1本の光線を氷晶石の結晶に入れると,屈折光線が二つに分かれること(複屈折)を見いだした。次いでオランダのC.ホイヘンスは,二つに分かれたこれらの光の振動方向が,かたよっていること(偏光)を見いだした。…
…彼の理論はホイヘンスの原理に数学的な証明を与え,光の直進,回折などの現象を波動説によって完全に説明するものであった。色偏光や複屈折についてはすぐには説明できなかったが,これも光を横波と考えれば理解できることがフレネルによって示された(1821)。そして1850年,J.B.L.フーコーが,波動説から得られる帰結どおり,水中の光の速さが空気中よりも遅くなることを実験によって明らかにし,波動説に確定的な証拠を与えたのである。…
※「複屈折」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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