日本大百科全書(ニッポニカ) 「コマンドルスキー諸島」の意味・わかりやすい解説
コマンドルスキー諸島
こまんどるすきーしょとう
Командорские Острова/Komandorskie Ostrova
カムチャツカ半島の東200キロメートルの洋上にある島々。地理的にはアリューシャン列島の一部で、その西端を占め、太平洋とベーリング海とを境するように位置する。総面積1848平方キロメートル。主島ベーリング島Остров Беринга/Ostorv Beringaのほか、メドヌイ島О.Медный/O.Mednïyなど計4島からなる。その大部分は標高600~700メートルの山地で、山岳ツンドラ(永久凍土帯)をなし、海岸には絶壁が迫り、海鳥の繁殖地となっている。気候は海洋性を示す。島民はおもにアリュート人で、漁業とオットセイ、ラッコなどの毛皮獣類の養殖と毛皮採取を生業とする。島群の名は、カムチャツカ探検隊長ベーリングが1741年この島で遭難死したことにちなんでつけられたもので、「コマンドル」とはロシア語で「隊長」の意。
[村田 護]