北太平洋のアラスカ半島からカムチャツカ半島の間にある弧状列島。アレウト列島ともいう。北緯52度~55度、東経172度~西経163度に位置し、長さ約2000キロメートルにわたる。東からフォックス、アンドレアノフ、ラット、ニア、コマンドルスキーの5諸島に分かれ、大小約150の島々からなる。おもな島は、東からユーニマク、ウナラスカ、ウムナク、アトカ、グレート・シトキン、エイダク、タナガ、アムチトカ、キスカ、アッツ、ベーリングなどの各島。大部分はアメリカ合衆国のアラスカ州に属するが、西部のコマンドルスキー諸島はロシア連邦領である。環太平洋造山帯の一部をなす火山列島で、活火山が多い。列島の南側にはこれと平行してアリューシャン海溝が横たわっており、地震帯でもある。これらの点は、太平洋を取り囲む他の弧状列島と共通している。島々の海岸は急な岩壁をなすところが多く、ただちに急峻(きゅうしゅん)で植生に乏しい山地が始まる。気候は海洋性で、一様に温暖、多雨であり、霧の発生が日常的である。アラスカ南東部沿岸に比べ、夏は涼しいが冬の気温は変わらない。ウナラスカ島での年平均気温は3~4℃、植物の生育期は5月初旬から9月下旬までの約135日間で、栽培可能な農産物の種類は限定される。中心地はウナラスカ島のダッチ・ハーバーで、ここにはアメリカ海軍と空軍の基地がある。列島西部には、第二次世界大戦で日本軍が占領し、その後、守備隊が全滅したアッツ島と、無事撤退したキスカ島がある。
ベーリングの探検以後、シベリアからの移民により開拓されたが、1867年にアラスカとともにロシアからアメリカに譲渡された。人口は8162(2000)。先住民はアリュート人であるが、少数しか現存しない。彼らはおもに漁労と狩猟を営む。
[鶴見英策]
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(2014-6-25)
アラスカからカムチャツカ半島に向けて連なる列島。1741年のベーリングによる探検後,ロシア人毛皮業者が進出したが,ロシアは1867年アラスカの一部としてアメリカに売却した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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