コミサルジェフスカヤ(読み)こみさるじぇふすかや(英語表記)Вера Фёдоровна Комиссаржевская/Vera Fyodorovna Komissarzhevskaya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コミサルジェフスカヤ」の意味・わかりやすい解説

コミサルジェフスカヤ
Komissarzhevskaya, Vera Fëdorovna

[生]1864.11.8. ペテルブルグ
[没]1910.2.23. タシケント
ロシア女優。著名なオペラ歌手フョードル・ペトロービッチ (1838~1905) の娘で,イギリスで活躍した演出家 T.コミサルジェフスキーの姉。 1891年デビュー,96年アレクサンドリンスキー劇場に加わり,『かもめ』のニーナなどを演じたが,宮廷劇場の空気にあきたらず 1902年退団,2年間の巡業ののちペテルブルグにコミサルジェフスカヤ劇場を開設 (04) 。ゴーリキーチェーホフなどの作品を繊細な心理描写によって上演し,注目すべき芸術活動を行なったが,その後メーテルランクやソログーブらの象徴主義へ深い関心を示すようになった。巡業中に客死。女優としては『ファウスト』のマルガレーテやイプセンノラ,ヘッダ・ガーブラーなどを得意とした。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コミサルジェフスカヤ」の意味・わかりやすい解説

コミサルジェフスカヤ
こみさるじぇふすかや
Вера Фёдоровна Комиссаржевская/Vera Fyodorovna Komissarzhevskaya
(1864―1910)

ロシアの女優。テノール歌手フョードル・ペトロービチ・コミサルジェフスキー(1838―1905)の娘。ペテルブルグ生まれ。1890年から91年までスタニスラフスキーの芸術文学協会の公演に加わり、96年に帝室アレクサンドリンスキー劇場に招かれ、チェーホフ作『かもめ』のニーナ役で有名になる。1902年同劇場を去って、04年ペテルブルグにコミサルジェフスカヤ劇場をつくり、メイエルホリドら若手演出家に活躍の場を与えた。ほかに『人形の家』のノラなど多くの当り役がある。

[中本信幸]

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