のら(読み)ノラ

デジタル大辞泉 「のら」の意味・読み・例文・類語

のら

仕事もしないで遊び暮らすこと。また、その人。怠け者放蕩ほうとう者。どら。
些異ちとかわって居た偏屈者、それが此頃のような―になって仕舞うたは」〈露伴・椀久物語〉

ノラ(Nora)

イプセン戯曲人形の家」の女主人公。夫にとってかわいい人形にすぎない妻の地位を捨て、夫や子供とも別れて家出する。近代的自我に目覚めて自立を望む新しい女性の典型とされる。

ノラ(Nola)

中央アフリカ共和国南西部の都市。サンガムバエレ州の州都。マンベレ川とカディ川の合流点に位置し、河港をもつ。

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精選版 日本国語大辞典 「のら」の意味・読み・例文・類語

のら

  1. 〘 名詞 〙
  2. なまけること。また、その人。怠惰。怠慢。のらくら。
    1. [初出の実例]「むたひげにて人ののらとおもふにやあらん」(出典:仮名草子・仁勢物語(1639‐40頃)下)
  3. 遊びに身をもちくずすこと。また、その人。放蕩。遊蕩。極道。
    1. [初出の実例]「此世にては無比ののらを尽くし」(出典:浄瑠璃・曾我虎が磨(1711頃)下)
  4. ならずもの。無頼漢
    1. [初出の実例]「空の光りや野等か目の玉〈西尋〉 昼寝して人乞替り草の原〈西晶〉」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第一八)

ノラ

  1. ( Nora ) イプセンの戯曲「人形の家」の主人公。妻として単に男性の人形であることに反逆し、夫や愛児を捨て家出する。近代的自我に目ざめた新しい女性の典型とされた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「のら」の意味・わかりやすい解説

ノラ
Nola

イタリア南部,カンパーニア州ナポリ県,ナポリ東北東約 23kmに位置する町。エトルリア人の町であったが,前 313年ローマ人が占領,皇帝アウグスツスがここで没した (14) 。肥沃カンパーニア平野商業の一中心地で,野菜,果実トウモロコシ,麻を集散。食品,ガラス工業がある。ゴシック様式の聖堂 (13世紀) ,カタルニャ風宮殿 (15世紀) などがある。付近には4~5世紀のキリスト教殉教者の墓があり,バシリカ跡などが残る。人口3万 2573 (1991推計) 。

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デジタル大辞泉プラス 「のら」の解説

ノラ

日本のポピュラー音楽。歌は女性歌手、門倉有希。1998年発売。作詞:ちあき哲也、作曲:徳久広司。

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世界大百科事典(旧版)内ののらの言及

【ノーラ】より

…イプセンの問題劇《人形の家》(1879)のヒロイン。日本ではノラと呼ばれたが,原発音はノーラ。妻や母である前に人間だといって夫と3人の子どもを置いて家を出るノーラは,女性解放の象徴的人物とされ,その行動の是非が世界中で激しく議論された。…

【松井須磨子】より

…本名小林正子。長野県松代に生まれ,上京して文芸協会の養成所を卒業,初公演の《ハムレット》のオフィーリアでみとめられ,続いて《人形の家》のノラ,《マグダ》(《故郷》)のマグダの大役で劇団のスターとなった。島村抱月との恋愛で協会を除名され,大学教授の座を追われた抱月と芸術座という劇団を1913年(大正2)に結成,女座長として以後毎公演の主役を演じ続けた。…

※「のら」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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