こよなし

大辞林 第三版の解説

こよなし

( 形ク )
(他と比較して)違いがはなはだしい。格段に差がある。 「年頃よりも-・う荒れまさり、広う物ふりたる所の、いとど人ずくなにさびしければ/源氏 若紫
この上ない。比類ない。 「 - ・き御朝寝あさいかな。ゆゑあらむかしとこそ思ひ給へらるれ/源氏 末摘花」 〔「越え無し」の転か。善悪いずれの意にも用いる〕 → こよなく

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精選版 日本国語大辞典の解説

こよ‐な・し

〘形ク〙 他とくらべて、はるかにへだたりのあるさまを表わす語。善悪いずれにもいう。
① 他とくらべて違いがはなはだしい。格別に違う。格段の差がある。
(イ) 比較の基準が示される場合。
※宇津保(970‐999頃)蔵開中「それはとしは、われにこよなくこのかみにぞおはせし」
(ロ) 比較の基準が言外に示される場合。
※中務集(989頃)「こよなくてけふはすずしきたもとよりあふぐかぜさへ秋になりつつ」
(ハ) 比較の基準が通常の状態である場合。通常の場合に比べて格段に違う。
源氏(1001‐14頃)桐壺「おぼしまぎるとはなけれど、おのづから御心うつろひて、こよなうおぼしなぐさむやうなるも、あはれなるわざなりけり」
② 前後の関係から、「すぐれている」とか「劣っている」とかの意が付加された場合。
(イ) 格段にすぐれている。
※落窪(10C後)四「母北の方見るに、帥はいと物ものしく、有りさまもよければ、さいへども、やんごとなき人のし給へることは、こよなかりけりとよろこぶ」
(ロ) 格段に劣っている。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「限りなくめでたく見えし君だち、此の今見ゆるにあはすれば、こよなく見ゆ」
③ 後世、連用形、連体形が文章語として「この上ない」の意に用いられる。
※暴夜物語(1875)〈永峰秀樹訳〉発端「国人の為無上(コヨナキ)功徳に候はずやと思ひ詰て」
※おあんさま(1965)〈大原富枝〉「たよは兄をこよなく頼みに思っていた」
こよな‐げ
〘形動〙
こよな‐さ
〘名〙

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