コルシニ家(読み)コルシニけ(その他表記)Corsini

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コルシニ家」の意味・わかりやすい解説

コルシニ家
コルシニけ
Corsini

13世紀より興ったイタリア名家フィレンツェの貿易商家として栄え,のちローマに移って政治家,聖職者など指導的人物を輩出。 13世紀末には,すでに大商人組合 (ポポロ・グラッソ) の一員としてフィレンツェの都市経済を掌握し,フィリッポ (1334~1421) の代にはシャルル4世により伯爵領を受領。またアンドレアおよびネリは,それぞれ 1349年,74年にフィエソレの司教,ピエトロおよびアメリゴはそれぞれ,63年,1411年にフィレンツェの司教となる。ローマに移ってからも,メディチ家の支配下で,同市の商業,経済,政治に活躍。バルトロメオ・ディ・フィリッポ (1622~85) はスペインの侯爵ともなり,同国に封土を得た。ロレンツォ (52~1740) は,1730年教皇クレメンス 12世 (在位 30~40) として選出され,その甥バルトロメオ (1683~1752) はスペインの大公となる。教皇クレメンス 12世となったロレンツォは学芸を熱心に保護し,コルシニアナ文書館 Biblioteca Corsinianaを創設,これは現在イタリアの最高学士院であるリンツェイ学士院 Accademia dei Lincei前身となった。コルシニ家は現在も存続するが,昔日面影はない。

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