コロナ障害(読み)コロナしょうがい(その他表記)corona interference

改訂新版 世界大百科事典 「コロナ障害」の意味・わかりやすい解説

コロナ障害 (コロナしょうがい)
corona interference

送電線コロナ放電によって生ずる雑音騒音電力損失などをいう。送電線の電圧が高くなり,導体表面や碍子(がいし)の金具などにとがった部分があると電界が強くなってコロナ放電が発生する。とくに雨天時にはしずくがついたり落ちたりするので尖端が多数生じたことになってコロナ放電が発生しやすい。海岸近くで塩分を含んだ風によって碍子の表面が汚損される場合も同様である。放電は一般に音を伴うので,可聴ノイズを生ずる。またコロナ電流は立上り時間の短いパルス状をなすので高周波の電磁波を発生する。これらは放送電波のノイズとなり比較的周波数の低い振幅変調のラジオ放送に影響する場合がある。周波数が高くなると,コロナノイズの周波数成分が小さくなるので影響は小さい。コロナ放電によるエネルギーがコロナ損になる。送電線の1相分を何本もの導体に分割する多導体方式の採用,送電線に放送電波をのせて送る方法などの対策が講じられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android